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よろず短文置き場。 ジャンル・カプは、カテゴリ・タイトル等から推測して下さい(不親切)。
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2024.05.04Saturday
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絶チル ・ 賢→皆
2010.03.11Thursday

「だああぁフラれたー!!」


ばふっと音を立ててスプリングの効いたソファーに沈み込む。レザーの冷えた感触が、酒で火照った頬に心地好い。
微睡むまま眠りに落ちてしまおうかと考える賢木を咎めるように、目の前に水が入ったコップが差し出された。視線を上げれば、そこにはいつものように呆れきっている皆本の顔がある。
のろのろとそれを受け取り、中身を一気に呷る。空になった容器を返すと、皆本は小さく溜息を吐いた。


「全く……フラれたからって、毎回僕をやけ酒に巻き込むのは勘弁してくれ。フラれた理由だって、また自業自得なんだろ」


眠気で虚ろな意識の中、それはちょっと間違いだ、と口には出さずに賢木は正す。

巻き込んでいる訳じゃなくて、お前が原因なんだ。お前が鈍いのが悪いんだ。
お前にソノ気がないことは知ってる。だから女の子とそういう関係になったりしてるんだ。
なのにいざフラれると、こうやって文句言いながらも深夜まで付き合ってくれたりするもんだから元の木阿弥。忘れられる訳が、ない。

これが賢木の言い分だ。言い掛かりはなはだしいことは承知の上で、それでも毒づく。

突き放すか、いっそ結婚でもしてくれれば踏ん切れるのに。
そんな勝手な想いを知らない皆本は、酔い潰れた賢木に甲斐甲斐しく世話を焼く。それは彼の性格故で、賢木だけが特別じゃないことが、また複雑な感情を引き起こす。
彼と離れた方が、楽なのかもしれない。それでも彼によって齎されるものも手放したくないのだ。

眠りに落ちそうになりながらも伸ばした手に、彼の指先が触れる。
届く位置にその温もりがあることに、無性に泣きたくなった。



どうか僕に、あきらめさせてください



(でも、失うのも怖いんだ)


+++++++

先生が「ほれてまうやろー!」と心の中で叫んでる話(ぶちこわし)。
絶チルはずっとノマカプで良いと思ってたのに、何かが降りてきました。
同じような話をザックラでやろうと思ってたことがあるような気がする。



title by 確かに恋だった
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復活 ・ D18
2009.12.17Thursday

にゃあ。

小さな鳴き声が聞こえた気がして、ディーノは足を止める。ぐるりと周囲を見渡してみるが、視界に入るのは無機質な校舎と申し訳程度の草木ばかりで、それらしき姿はない。

まぁここは雲雀恭弥のテリトリーだ、小動物が気軽に入ってきたりしないだろう。いやでも、あいつ意外と可愛いもの好きだしな。

そんな取り留めのないことを考えながら止まっていた足を動かそうとすると、また同じ声。呼び止めているかのようなそれに、もう一度周囲を見渡す。
声のした方向を注意深く観察すると、花壇の草花に埋もれるようにして黒い子猫がうずくまっていた。ここが裏庭だからか、あまり手入れがされていない所為で茂った雑草に隠れて気付けなかったのだ。
何の気無しに近寄ろうとすると、猫はゆっくりと身を起こして、大きな瞳でディーノを見据えてきた。その視線の強さは、ディーノがこれ以上近付くことを許してはおらず、所作は幼いながらに優美だった。
高慢ともとれるその仕種に、自分で呼び止めておきながらそれか、と思わず苦笑が零れる。
だが、嫌いではない。その在り方は、ディーノにただ一人を思い起こさせる。正に猫のような彼。この猫より少しは懐いてくれている、と考えるのは思い上がりだろうか。

しゃがみ込んで猫と視線を合わせたまま思考に沈んでいたディーノの意識を、靴底と小石が擦れ合う音が現実に引き戻す。
素早く身を翻して走り去る猫を見送ってから立ち上がると、少しふらついた。思っていたより長い時間座り込んでいたらしい。
そんなディーノに呆れたように溜息が一つ降る。

「不審者侵入の報告が来たのにいつまでも僕のところに来ないから、どうしたのかと思えば……本当に、あなたは何をしてるの」

言葉の割に、振り返って見たその表情は楽しそうで。結構思い上がりでもないのかもしれない、そう思ってディーノは小さく笑った。



(まさか、自分から寄ってくるなんて!)



+++++++

アミダお題、D18・猫が可愛い話。
いやうん雲雀猫を少し手なずけたデノ……? あれれ。
現在真冬真っ盛りなのに、話のイメージは秋です。あれれれ。
ハルカさんとの話し合いの結果、アミダお題の内1つはバックレ可となったので、一応これでコンプです。

ボカロ ・ リンレン
2009.12.08Tuesday
・リンさんは末っ子おてんばさん
・レンさんは苦労が板についてきた突っ込み14歳
・ふたりはなかよし☆


そんなのリンじゃないやいレンじゃないやい、という方以外はどうぞ。
大河 ・ 殿 兼
2009.07.05Sunday

※注意事項※

・09 大 河です
・殿 × かねつぐというか幼少時な二人です
・微妙なジャンルなので無理な方は無理せずお引き取り下さい
・そしてここのことは忘れて下さい



……覚悟はOKですか?


しや ばけ ・ ↓の続き
2009.07.05Sunday

「……!!」


その姿に思わず色を変えて、若だんな、と叫びそうになって。
声を張り上げようとした瞬間、仁吉の人より優れた聴覚が微かな音を拾った。

それは、呼吸音。

そろりそろりと若だんなに近寄ると、確かに呼吸をしていることが分かる。
それは規則正しく穏やかで、ただ眠っているだけであると知れた。
その事実に安堵の溜め息を吐きつつ周囲を見渡せば、普段若だんなにひっついている妖達の姿が見えない。
眠っている若だんなを起こさぬよう気を使ったのだろうが、それならば布団くらい掛けろ、若だんなが風邪でもひいたらどうしてくれる、と今度は呆れと苛立ちの混じった溜め息を吐くことになった。

屏風のぞきあたりにどんな仕置をしてやろうかと考えるが、それは後回しだ。
何はともあれ、若だんなをこのままにしておくのは良くない。
風邪の心配もあるが、寝心地が良いとは言えない畳の上で寝て身体を痛める可能性だってある。
仁吉は若だんなの布団がしまってある押し入れを開き、静かに、だが素早く寝具を整えた。
若だんなを布団へ寝かせようと、起こさぬように細心の注意を払ってその身体を抱き上げる。
変わらず寝息は穏やかで、一太郎が起きる気配はない。
だが、抱き上げた身体のあまりの細さと軽さに仁吉は眉を顰めた。

一太郎はそんなに上背がある訳でも体躯が大きい訳でもない。
だが、もう成人と言っても良い年頃なのだ。本来ならばもっと重みを感じる筈なのだ。


なのに、こんなにも、軽い。


この軽さが一太郎の病弱さを、ひいてはその命の危うさを示しているようで。
不安が影のように迫って来るのを感じて、仁吉は嫌な想像を振り払うように頭を振った。

今若だんなは眠っているだけだ。
"それ"を考えるのは、今ではない。


そっと抱き上げていた身体を布団の上に横たえ、上掛けをかける。
やはり目を覚ます気配はない。

「…若だんな」

寝返りを打った際にほつれたのか、顔にかかっていた髪を横に流してやりながら、微かな声で呼び掛ける。
当然、返事はない。





+++++++

暇なので携帯内の書きかけ整理その2。
書きかけなんで中途半端なまま終了。

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