よろず短文置き場。
ジャンル・カプは、カテゴリ・タイトル等から推測して下さい(不親切)。
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2024.05.04Saturday
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アビス ・ ガイルク
2009.05.04Monday
※ED後捏造・ルーク帰還
あの日から、"朝"はガイにとって絶望でしかなかった。
それは、哀れで幸福な夢から覚める時間。誰より大切な彼を失う瞬間だった。
旅が終わったあの日以来、ガイは何度も夢をみた。
彼が、……ルークが帰ってきた夢を。
帰ってくるときのものだったり、二人きりや仲間達と過ごしているものなど、それは様々だった。けれど、それが朝の風景だったことは一度もないように思う。
きっと、無意識にでも分かっていたのだ。これらは全て夢で、現実にはルークは帰ってきてはいない。そして、"朝"はその事実を突き付けるものなのだと。
夢にみた数だけ、ガイはルークを失った。眠ることも、起きることも怖かった。
それは、ルークが帰ってきた今でも変わらない。
眠っている間に彼がまたいなくなってしまうのでは、そもそも彼が帰ってきたこと自体がまた夢なのではないか――
ガイが抱える不安をルークは何となく感じ取っているのだろう。
先に起きてしまったときでも、ガイが目覚めるまで隣にいる。そう、今も。
浮上する意識に従って目を開けば、視界に入るのは緋の髪と碧の瞳。見慣れた顔が優しく笑む。
もう起きようぜ。俺、腹減ったよ。何か食べる物あったっけ。
そうしてやっとガイは安心出来る。ようやく笑うことが出来る。
そうだな、ペールに訊いてみるか。俺も腹減ったよ。
そんな何気ない会話に、何よりも安堵する。
そっと伸ばした手で触れた柔らかな頬は、温かかった。
(きみが守り、きみを奪ったこの世界で、きみと過ごせる日々に感謝を捧げる)
+++++++
アミダお題1・ガイルク/朝食を(これから)一緒に食べる話。
……………。
……ご、こめんなさ……!(平謝り)
意味不明な上、お題無視にも程がある。
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アビス ・ ルク逆行パロ続き
2009.02.24Tuesday
光の中で、身体が軽くなったかのような感覚の後にゆっくりと目を開ければ、そこはもうユリアシティの一角ではなく、陽光降り注ぐ外殻大地だった。
アラミス湧水洞。現時点で、唯一魔界と外殻大地が繋がる場所。
記憶の中の過去とは違い、たった一人でその場所に立ったルークは、太陽の眩しさに目を細めた。
結局、ルークはティアに何も話すことは出来なかった。己の状況も、世界の危機も。
言えば彼女を兄との戦いの最前線に立たせることになってしまう。
表にはあまり出さなかったが、確かに苦悩していた彼女の姿をルークは憶えている。拒絶される可能性に対する恐怖も勿論あったが、彼女を案じる気持ちもまた嘘ではなかった。
外殻大地を降下させるにはユリアの血縁者であるティアの協力が不可欠なのだが、そのことは追々考えようと決め、ルークは一人でユリアロードを通った。
まずは囚われているイオンとナタリアの救出だろうか。いや、それはジェイド達に任せて、自分は戦争回避のためにバチカルへ向かうべきだろうか。
魔物の気配を警戒して歩を進めながらも、最善を求めて思考する。誰も答えなど教えてはくれないし、知恵を借りることすら出来ない。自分で考え、最善を選び取らねばならない。
自分の選択が世界を左右する、その重責を抱えながらも歩みを止めないルークの意識の底が、魔物ではない、よく見知った気配を察知した。知らず、翡翠の瞳が涙に揺らめく。
あぁ、そうだ。アラミス湧水洞、ここは―――
「遅かったな、待ちくたびれたぜ」
耳に馴染んだ声に、ルークは反射的に顔を上げた。あの最後の日、光の中で音素に還りながら、会いたいと願った彼が目の前にいる。
「………ガ、イ…」
震える、声。
会いたかった、会いたかった、会いたかった!!
そう叫び出したいのをどうにか堪える。"この"ガイは"あの"ガイではないのだ。
それでもあふれ出す感情は止まらない。
それ程にルークはガイに会いたかったのだ。その笑顔を見たかったのだ―――
(ガ、イの、えが…お?)
そのフレーズに、浮かれていた心に冷水を浴びせられたような気がした。
あんなにも望んだ彼の笑顔が此処にある。だが、その屈託のない笑顔に重なるのは、ルークが最後に見た彼の表情。
己の無力さを嘆き、自身を襲う痛みに耐えている、泣いているかのような――笑顔。
→
(つづき)
アビス ・ ルク逆行パロ
2009.02.11Wednesday
光に包まれて、その目を潰すような白さに同化していく。自分がルークという個ではなく、ただの音素に還っていくかのような感覚に、きつく目を閉じる。
こうなるだろうことは予測していたし、覚悟もしていたつもりだった。だが、いざその場に立たされれば、自身の中に溢れるのは"消えたくない"という想いだけだった。
いやだ、いやだ、消えたくない。
もういちど彼らに会いたい、誰より大切なあいつと一緒にいたいんだ。
許される願いではなく、それが無理であることも理解している。それでも戻りたいんだ。
その切なる願いだけを繰り返す胸の内。そればかりに気を取られていた所為か、身体の感覚が戻っていることに気付くのが遅れた。何処か、柔らかい場所に横たわっているかのような感触。
恐る恐る閉じていた目を開けば、視界に映るのは天井。視線を巡らせれば、そこは見覚えのある部屋だった。
「……ユリアシティ…の……ティアの、部屋?」
多少掠れはしたが、ちゃんと声が出た事実に少し安堵する。どうやら自分は"生きて"いるらしい。
そうと分かれば、まずは状況を確認しなければ、と飛び起きて――ぎくりと身を竦ませる。
さらりと流れた見覚えのある朱く長い髪。
随分と前に切り落とし、最後の瞬間も自分の髪は短かったはずだ。慌てて鏡に飛び付けば、そこには髪が伸びてはいるものの、見慣れた服を着た自分がいた。
「……まさか、もうあの日から何年も経ってるの、か?」
誰か、誰かこの状況を説明してくれ。
俺は、世界は、皆は、どうなったんだ!!
混乱の極地にいるルークの耳に、微かな音が届く。
聞こえた歌声に縋るように扉をくぐれば、セレニアの花の中で歌う少女の姿があった。
その記憶の中と変わらない姿に泣きそうになる。
「……っ…ティア!!」
叫ぶように名を呼べば、彼女の視線はこちらに向けられたが――それに何か突き放すようなものを感じて駆け出しかけた足を止めた。
そんな不審なルークを気にも止めないティアに違和感が沸き起こるが、それを上手く言葉にすることが出来ない。
「……今…どう、なってるんだ」
どうにか搾り出した声は震えている。だが叱咤や心配の言葉はなく、ただ淡々とティアは答えた。
→
こうなるだろうことは予測していたし、覚悟もしていたつもりだった。だが、いざその場に立たされれば、自身の中に溢れるのは"消えたくない"という想いだけだった。
いやだ、いやだ、消えたくない。
もういちど彼らに会いたい、誰より大切なあいつと一緒にいたいんだ。
許される願いではなく、それが無理であることも理解している。それでも戻りたいんだ。
その切なる願いだけを繰り返す胸の内。そればかりに気を取られていた所為か、身体の感覚が戻っていることに気付くのが遅れた。何処か、柔らかい場所に横たわっているかのような感触。
恐る恐る閉じていた目を開けば、視界に映るのは天井。視線を巡らせれば、そこは見覚えのある部屋だった。
「……ユリアシティ…の……ティアの、部屋?」
多少掠れはしたが、ちゃんと声が出た事実に少し安堵する。どうやら自分は"生きて"いるらしい。
そうと分かれば、まずは状況を確認しなければ、と飛び起きて――ぎくりと身を竦ませる。
さらりと流れた見覚えのある朱く長い髪。
随分と前に切り落とし、最後の瞬間も自分の髪は短かったはずだ。慌てて鏡に飛び付けば、そこには髪が伸びてはいるものの、見慣れた服を着た自分がいた。
「……まさか、もうあの日から何年も経ってるの、か?」
誰か、誰かこの状況を説明してくれ。
俺は、世界は、皆は、どうなったんだ!!
混乱の極地にいるルークの耳に、微かな音が届く。
聞こえた歌声に縋るように扉をくぐれば、セレニアの花の中で歌う少女の姿があった。
その記憶の中と変わらない姿に泣きそうになる。
「……っ…ティア!!」
叫ぶように名を呼べば、彼女の視線はこちらに向けられたが――それに何か突き放すようなものを感じて駆け出しかけた足を止めた。
そんな不審なルークを気にも止めないティアに違和感が沸き起こるが、それを上手く言葉にすることが出来ない。
「……今…どう、なってるんだ」
どうにか搾り出した声は震えている。だが叱咤や心配の言葉はなく、ただ淡々とティアは答えた。
→
(→つづき)
アビス ・ ガイルク
2008.09.27Saturday
ひとりになりたいのだと、知っている。
でも、本当は誰かにいて欲しいと思ってることも知っているんだ。
苦しまなきゃいけない、なんて。赦されちゃいけない、なんて。そんなのは、お前の勝手な思い込みだ。
誰もお前にそんなものを課してないし、責めてもいない。世界の為に命を懸けて頑張ってるお前に、そんなこと出来る訳ない。
だからお前は笑ってて良いんだ。望んでも良いんだ。
そう、言葉にして伝えられたら良いのに、出来ない。
ルークはそんな言葉を望んでいない。告げたところで困らせるだけだ。
だから、俺はルークの傍にいる。正しいのかは分からないけれど、泣くルークの傍にいる。
本当はひとりにしてやる方が優しさなのかもしれないし、気付かない振りをする方がルークの為なのかもしれない。
それでもそれをしないのは、俺のエゴだ。ルークをひとりで泣かせたくないんだ。ましてや、他の誰かのところでなんて。
ただ、こいつの笑顔だけを願ってるはずなのに。何で、こんなことを思ってしまうのか。
あぁ、そうだ。
こうして縋ってくる熱に救われているのは、俺の方なんだ。
(そしてどうか、一番にその笑顔をみせて)
一人にして欲しいと言う人を一人にしてあげられるほど、優しくはない
+++++++
前のと対になる感じで。
方向は真逆だけど似た思考の二人。
title by 確かに恋だった
アビス ・ ガイルク
2008.09.22Monday
ひとりに、なりたいんだ。
なりたくない、本当は誰かにいて欲しい、傍にいて欲しい。優しくして欲しいし、慰めて欲しいし、大好きだよって囁いて欲しい。
でも、それは俺には許されないこと。望んではいけないことだと分かっているから。
だから、ひとりにして欲しいんだ。
ガイは俺の欲しいものを全部持っていて、それを惜しみなく俺に与えてくれるから。
望んでいるものを差し出されて、それを振り払える程には強くなれない。
なのに、なんで。
隠してるのに、他の誰も気付いてないのに、ガイだけは気付いてしまうんだ。なんで、なんで、ガイだけは。
こんなとき、ひとりになりたいとき、必ずガイは気付いて傍に居てくれる。優しくして慰めて、大好きだよって囁いてくれる。
やめてくれ、俺は苦しまなきゃいけないんだ、赦されちゃいけないんだ。
そう思っているのに言葉にはならず、ただその温かさに縋って涙を流した。
(今日も、きみに救われてしまう)
僕をひとりにしてくれない神様
+++++++
縋るように泣くのは萌であると主張(帰れ)。
title by 確かに恋だった
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