よろず短文置き場。
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T&B ・ 現パロ
2012.03.25Sunday
「……ここ、か」
ようやく見つけた目的の店の前で、バーナビーは一つ溜息をついた。
路地の奥にある、こじんまりとしたカフェ。こんな場所をよく見つけたものだと、知らず溜息がもう一つ零れる。
そもそもバーナビーがこのカフェを探すはめになったのは、自身の隣の家に住んでいる少女――カリーナが原因だった。
一般的に幼なじみと言われる関係であり、近所の奥様方からは恋人同士かと噂される二人だが、実際のところは犬猿の仲だ。幼なじみと呼ばれることすら遠慮したいとバーナビーは思っているが、それは恐らく相手も同じだ。会えばしかめっつらを向け合う人間と恋仲になどなる筈もない。嫌悪感はなくウマが合わないというだけではあるが、無理なものは無理だ。
さておき、そんなカリーナが最近足繁くこのカフェに通っているという。彼女に目当ての男が出来ようが、正直バーナビーにはどうでもいいのだが、好きにしろと放っておけない理由がある。
カリーナは、美人だ。まだ高校生だが、外見は大人びていてあちらこちらにファンもいる。その所為でトラブルに巻き込まれることもあり、その処理をバーナビーがさせられたことは一度や二度ではない。彼女が悪い訳ではないとはいえ、面倒事は御免なバーナビーにしてみればいい迷惑だ。
だから今回、カリーナが通っている店の存在を母親経由で聞いたバーナビーは、自衛のためにこの店を訪れたのだった。つまり、彼女が通う原因が自分の面倒に繋がらないか、確認するために。
木製のドアを押せば、カランと金属音が響く。見回した無人の店内にあるのはカウンター席が5つと4人がけのテーブルが二つ。店主の趣味なのか、使い込まれた木製の家具が多く何処か古びた印象を与えるが、清掃は行き届いていて好感が持てる。落ち着いた空気に目を細めていると、ドアベルの音を聞き付けたのか、カウンターの奥のドアから男が顔を覗かせた。
「……あれ? お客さん?」
何故か不思議そうに尋ねる男に頷きを返せば、嬉しそうに好きな席に座るよう促される。まさか、この男がカリーナの想い人だろうか。特徴的な髭をしたその男は、作る表情や仕種こそ子供っぽく感じるものの、物腰からすると自分よりだいぶ年上に思える。バーナビーが大学生なのだから、恐らく30代だろう。
→
ようやく見つけた目的の店の前で、バーナビーは一つ溜息をついた。
路地の奥にある、こじんまりとしたカフェ。こんな場所をよく見つけたものだと、知らず溜息がもう一つ零れる。
そもそもバーナビーがこのカフェを探すはめになったのは、自身の隣の家に住んでいる少女――カリーナが原因だった。
一般的に幼なじみと言われる関係であり、近所の奥様方からは恋人同士かと噂される二人だが、実際のところは犬猿の仲だ。幼なじみと呼ばれることすら遠慮したいとバーナビーは思っているが、それは恐らく相手も同じだ。会えばしかめっつらを向け合う人間と恋仲になどなる筈もない。嫌悪感はなくウマが合わないというだけではあるが、無理なものは無理だ。
さておき、そんなカリーナが最近足繁くこのカフェに通っているという。彼女に目当ての男が出来ようが、正直バーナビーにはどうでもいいのだが、好きにしろと放っておけない理由がある。
カリーナは、美人だ。まだ高校生だが、外見は大人びていてあちらこちらにファンもいる。その所為でトラブルに巻き込まれることもあり、その処理をバーナビーがさせられたことは一度や二度ではない。彼女が悪い訳ではないとはいえ、面倒事は御免なバーナビーにしてみればいい迷惑だ。
だから今回、カリーナが通っている店の存在を母親経由で聞いたバーナビーは、自衛のためにこの店を訪れたのだった。つまり、彼女が通う原因が自分の面倒に繋がらないか、確認するために。
木製のドアを押せば、カランと金属音が響く。見回した無人の店内にあるのはカウンター席が5つと4人がけのテーブルが二つ。店主の趣味なのか、使い込まれた木製の家具が多く何処か古びた印象を与えるが、清掃は行き届いていて好感が持てる。落ち着いた空気に目を細めていると、ドアベルの音を聞き付けたのか、カウンターの奥のドアから男が顔を覗かせた。
「……あれ? お客さん?」
何故か不思議そうに尋ねる男に頷きを返せば、嬉しそうに好きな席に座るよう促される。まさか、この男がカリーナの想い人だろうか。特徴的な髭をしたその男は、作る表情や仕種こそ子供っぽく感じるものの、物腰からすると自分よりだいぶ年上に思える。バーナビーが大学生なのだから、恐らく30代だろう。
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「いやー、こんな時間に客なんて珍しいもんでさ。待たせて悪かったな」
「いえ……」
そういって水の入ったグラスを差し出してきた男は、やはりどう見てもカリーナの恋の相手には年上過ぎる。別の人間なのだろうか。
どうするかと頭の中で計算しながら、口は情報収集のための言葉を紡ぎ出す。
「この店、静かで良い店ですが……あまりお客さんが入ってないですね」
「うわ、いきなりそういうこと言うか」
そう言いながらも、男は気分を害した様子はない。平日の昼過ぎに客がいないのが当たり前だというなら、実際あまりはやってはいないのだろう。
それなら対象を絞り込むのも容易かもしれない、そう考えたバーナビーの前に、ずいと男が身を乗り出す。
「そう思うなら、もうしばらくここに座ってろよ。これからが凄ぇんだ」
にやりと悪戯を思い付いたような笑みを浮かべた男に、バーナビーは長い睫毛をしばたたかせた。
+++++++
最近楽しい現パロその1・大学生バーナビー×カフェの雇われ店長虎徹さん。
このあと、忙しさに戦争状態になった店内を見てバイトを申し出るバニーちゃんと雇うのを渋る虎徹さんとアラいいじゃないなオーナー・ネイサンが出てきます。
カリーナの片想いの相手が虎徹さんだと気付く頃には自分も虎徹さんに恋しちゃってて、二人で盛大にもめればいいよ!という妄想でした。
ただの脳内連載なので続かないよ!
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