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よろず短文置き場。 ジャンル・カプは、カテゴリ・タイトル等から推測して下さい(不親切)。
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彩雲国 ・ 双花
2007.09.17Monday

駄目だと知っているのに。
どうしようもないことだと分かっているのに。

なのに、止められない。
私は、私は、君を―――



気が付けば、目の前にいた彼を抱き締めていた。

細い身体。
最低限の筋肉はついているが、やはり文官なんだな、と頭の何処か冷静な部分が判じる。

――いや、冷静な筈がない。
本当に冷静ならば、今すぐ彼をこの腕から解放して、からかって誤魔化すべきなんだ。


彼が私の想いを受け入れる筈がない。
それどころか、この想いを知られてしまったら、今のように側にいることすら出来なくなるだろう。
そんなことに堪えられる筈がない。

「絳攸……」

だから、だから。
今すぐ手を放して。
「驚いたかい?」って笑わないと。
放したくない、どれ程そう思っていても。



―――とん。



肩に触れた感触に瞠目する。
そっと押し当てられた額。
それは、抵抗をしない代わりに受け入れもしない絳攸が、自分に示した唯一の意思。



(あぁ、私は、君を)


絳攸が女性だったら。
何度も、自らに暗示をかけるように繰り返した言葉。
手を伸ばしてはならないと、確認するための言葉。
それが音を立てて崩れていく。


(君のことを)


性別だとか回りの目だとかなど関係ない。
考えていられなくなるくらいに。


(君を誰よりも――)



+++++++

前のと対になる感じでぐるぐる楸瑛。
うん楸瑛はこんなことで弱気にならないと思うむしろ攻めてくよ(ぇ)。


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