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よろず短文置き場。 ジャンル・カプは、カテゴリ・タイトル等から推測して下さい(不親切)。
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T&B ・ 兎虎
2011.07.30Saturday
※本編で虎徹さんからバニーちゃんへの能力減退告白がある前にやっとこうなネタ





 ぎしり、硬い壁に押し付けられた背が軋む。掴み上げられた胸元も、手加減なんて一切されてない所為でかなり息苦しい。でも、力を込めすぎて白くなってしまっている手を払いのけることは出来ない。しては、いけない。
 こんな行動を彼にさせてしまっているのは、紛れも無く自分なのだから。

「……なんで、なんで……辞める、なんて……ッ」

 搾り出すような声。それを受け止めて静かに瞼を下ろす。贖罪――これはそんな大層なもんじゃない。
 だって俺は、また彼を突き放す言葉を吐き出す。

「もう、お前一人でも十分にやっていけるだろ。大丈夫だ」
「そんなこと、言わないで下さいッ! 僕、僕は、まだ」
「大丈夫だよ、お前なら。なぁ、バーナビー」

 ほとんど呼んだことのない彼の名を呼ぶと、綺麗な翡翠の瞳が大きく見開かれた。聡い彼のことだ、呼び名だけで気付いたのだろう。俺が、彼との間に壁を作ろうとしていることに。
 端正な顔が、また泣きそうに歪められる。
 あぁ、そんな顔するなよ。すぐに忘れるさ、こんなおじさんのことなんか。
 さすがにその酷すぎる言葉は飲み込んで、優しくその頭を撫でる。大丈夫、大丈夫、との想いを込めて。

「あなたまで……僕を置いていくんですか……」

 呟くように吐き出された小さな声に、何か返そうと口を開けば、噛み付くようなキスで言葉を遮られる。縋るようなそれは、こちらの弁明など聞く気がないことを示していた。

「……嫌、です……僕を……一人にしないで、ください……ッ」

 キスの合間に紡がれる言葉は、痛いくらいに俺の胸を刔る。
 知ってる、分かってるよバニー。お前がどれくらい俺のことを好きかなんて。大切に思ってるかなんて。分かってない訳、ないだろ。
 でも、駄目なんだ。もう俺はヒーローにはなれない。お前の隣にはいられないんだ。離れたくないのに、お前にこんな表情させたくないのに、どうして上手くいかないんだろうな。
 彼に伸ばしかけた手を躊躇ってから降ろす。翡翠の瞳が絶望に染まっていくが、いなくなる俺には、視線を逸らすしか出来なかった。



+++++++

バニーちゃんはこれくらい言って欲しいという妄想。本編では虎徹さんの葛藤の中にバニーちゃんが掠りもしないのが切ない。
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