忍者ブログ
よろず短文置き場。 ジャンル・カプは、カテゴリ・タイトル等から推測して下さい(不親切)。
[PR]
2024.05.04Saturday
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

T&B ・ 兎虎
2011.08.21Sunday
ぎゅ。
そんな可愛らしい擬音が似合いそうな様子で、僕の後ろから虎徹さんが抱き着いてきた。場所は僕の家のリビング、その中央の段差部分に座らされた僕を、僕より一段高い床に座った虎徹さんが抱き締めている。現在の二人は、虎徹さんの細い足の間に僕の体が収まっている状態。僕の腰に、そのすらりとした腕が回されている。当の虎徹さんの機嫌は何故か上々。
そんなよく分からない状況に、僕は心の内で首を傾げた。

虎徹さんは、酔っているときは別として、あまり僕と触れ合いたがらない。この表現は語弊があるかもしれないが、今のようにお互いくっついているよりは、少し離れた距離で存在を感じるくらいを好む。もっとも、それは『くっつく=僕が良からぬことに及ぶ』と散々経験させたからではあるが。

それはさておき、素面の彼がこんな行動に出ることは珍しい。今朝出社してから今までずっと時間を共にしてきたが、ここまで上機嫌になるようなことはあっただろうか。思い当たらない。
虎徹さんから触れてきてくれるなんて状況に僕が不満を抱く訳はなく、本当はその理由なんてどうでもいい。だが、僕の希望としては、どちらかといえば逆の立場でお願いしたい。僕の方が虎徹さんを抱き締めたいのだ。なのに態勢を入れ替えようとするとやんわり拒否されるとなれば、その理由を気にしない訳にはいかない。

「今日は機嫌が良いですね。どうしたんですか」
「ん? まあな、なんたって今日はバニーちゃんの日だからな」

思いもかけない答えに、僕は目を丸くした。僕の日、とはどういう意味だ。
相変わらず機嫌が良いままの虎徹さんは、嬉しそうに説明を始める。

「語呂合わせってやつだよ。日本語だと、8月21日は『バニー』って読めんの」

そういうものなのか。よく分からないなりに納得しようとした途端、虎徹さんは爆弾を落とす。

「だから、バニーちゃんを目一杯甘やかしてやろうと思って」
「………………は?」

あぁ駄目だ。ついに耐え切れず間抜けな声を上げてしまった。
甘やかす? あなたが? 僕、を?
疑問符だらけの僕に、少し困ったような顔で虎徹さんか笑う。

「いや、だってよ、誕生日のときは失敗しちまったしさ」
「あぁ……確かにあのときは散々でしたね。変な演技してるわ、本物の強盗犯に遭うわ……極めつけは、ポイントのプレゼントでしたか」
「だから悪かったって。……まぁその分、今日甘やかしてやろうってだけだ」






PR
T&B ・ 兎虎
2011.07.30Saturday
※本編で虎徹さんからバニーちゃんへの能力減退告白がある前にやっとこうなネタ





 ぎしり、硬い壁に押し付けられた背が軋む。掴み上げられた胸元も、手加減なんて一切されてない所為でかなり息苦しい。でも、力を込めすぎて白くなってしまっている手を払いのけることは出来ない。しては、いけない。
 こんな行動を彼にさせてしまっているのは、紛れも無く自分なのだから。

「……なんで、なんで……辞める、なんて……ッ」

 搾り出すような声。それを受け止めて静かに瞼を下ろす。贖罪――これはそんな大層なもんじゃない。
 だって俺は、また彼を突き放す言葉を吐き出す。

「もう、お前一人でも十分にやっていけるだろ。大丈夫だ」
「そんなこと、言わないで下さいッ! 僕、僕は、まだ」
「大丈夫だよ、お前なら。なぁ、バーナビー」

 ほとんど呼んだことのない彼の名を呼ぶと、綺麗な翡翠の瞳が大きく見開かれた。聡い彼のことだ、呼び名だけで気付いたのだろう。俺が、彼との間に壁を作ろうとしていることに。
 端正な顔が、また泣きそうに歪められる。
 あぁ、そんな顔するなよ。すぐに忘れるさ、こんなおじさんのことなんか。
 さすがにその酷すぎる言葉は飲み込んで、優しくその頭を撫でる。大丈夫、大丈夫、との想いを込めて。

「あなたまで……僕を置いていくんですか……」

 呟くように吐き出された小さな声に、何か返そうと口を開けば、噛み付くようなキスで言葉を遮られる。縋るようなそれは、こちらの弁明など聞く気がないことを示していた。

「……嫌、です……僕を……一人にしないで、ください……ッ」

 キスの合間に紡がれる言葉は、痛いくらいに俺の胸を刔る。
 知ってる、分かってるよバニー。お前がどれくらい俺のことを好きかなんて。大切に思ってるかなんて。分かってない訳、ないだろ。
 でも、駄目なんだ。もう俺はヒーローにはなれない。お前の隣にはいられないんだ。離れたくないのに、お前にこんな表情させたくないのに、どうして上手くいかないんだろうな。
 彼に伸ばしかけた手を躊躇ってから降ろす。翡翠の瞳が絶望に染まっていくが、いなくなる俺には、視線を逸らすしか出来なかった。



+++++++

バニーちゃんはこれくらい言って欲しいという妄想。本編では虎徹さんの葛藤の中にバニーちゃんが掠りもしないのが切ない。
TOV ・ レイユリ
2011.05.30Monday
あぁ、頭が痛い、体が怠い、吐き出す息すら熱くてうんざりする。
だから出来るなら動きたくはなかったが、こうも水分欠乏状態なら観念するしかないと、どうにか重い瞼を開ける。ぼやけた視界に映るのは、木製の天井と――見慣れた顔だった。

「……み……ず………」

掠れてしまって言葉にならなかったが、目を覚ましたレイヴンに気付いたユーリはその意を汲み取って水を注いだコップを差し出す。無理矢理に身体を起こしてどうにか飲み込んだそれは、荒れた喉を優しく潤していった。
少し楽にはなったが、まだ高い熱に冒されているのには変わりなく、ベッドに再び横たえた身体はずっしりと沈み込む。

「……って……何で青年が此処にいるの」

はたと気付いて問う。ここは彼ら一行が取った宿とは別の宿屋だ。具合が悪いのを隠すために一人別行動を取ったはずなのに、何故彼が此処にいるのか。
先程よりしっかりと言葉を紡いだレイヴンに安堵したのか、幾分表情を緩めたユーリは呆れたような溜息を一つ零す。

「おっさんが具合悪いのくらい気付いてたんだよ。宿に着いたらベッドに叩き込もうと思ってたのに、一人でいなくなりやがって。カロルに聞いてみれば、余所で泊まるとか言うし」

探すの面倒だったぜ、と続けるユーリの表情は台詞の割に穏やかなものだったので、レイヴンも応えるように苦笑を零す。

「気付いたのって青年だけ?」
「いや、ラピードと……ジュディも感づいてたみたいだな」
「相変わらず聡い子達ね……てかお子様組しか騙せてないじゃない」

そういうの得意だった筈なんだけど、と呟けば、返ってくるのは楽しそうな笑み。

「ま、だからもう隠そうなんてすんなよ。無駄なんだから」
「そーねー……体力減らしただけだったわ……」

話し疲れたのか、また重くなってきた瞼に抵抗するようにレイヴンは目をしばたたかせる。とろりと睡眠に誘われるのを跳ね退けようとするが、上手くいかない。
むしろそれを助長するように、ユーリの手が視界を遮った。

「寝ちまえよ。ずっとここにいるから」

約束だからね、とだけどうにか返して意識を優しい闇に委ねる。小さく洩れた笑い声を夢現に聴いた気がした。


+++++++

自分の具合が宜しくないので、現実逃避的にこんな話(寝ろ)。
×というより+な感じの二人。


TOV ・ レイユリ……?
2011.02.27Sunday
美女と野獣パロです。
というか設定借りてきただけで、パロにすらなってないです……。

野獣→レイヴン
美女→ユーリ

大丈夫という方のみどうぞー。



APH ・ 西ロマ子
2010.10.24Sunday


*国擬人化表現がありますが国や人、歴史、戦争、土地、軍には全く関係ありません
*また作者様や出版社様、国、団体などは一切関係ありません


*ロマが女の子です注意


現パロで高校生……な感じ……?(曖昧)

 1 2 3 4 5 6 7 8 
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]

Design by sky & Lenny