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よろず短文置き場。 ジャンル・カプは、カテゴリ・タイトル等から推測して下さい(不親切)。
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2024.05.04Saturday
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復活 ・ D18
2009.12.17Thursday

にゃあ。

小さな鳴き声が聞こえた気がして、ディーノは足を止める。ぐるりと周囲を見渡してみるが、視界に入るのは無機質な校舎と申し訳程度の草木ばかりで、それらしき姿はない。

まぁここは雲雀恭弥のテリトリーだ、小動物が気軽に入ってきたりしないだろう。いやでも、あいつ意外と可愛いもの好きだしな。

そんな取り留めのないことを考えながら止まっていた足を動かそうとすると、また同じ声。呼び止めているかのようなそれに、もう一度周囲を見渡す。
声のした方向を注意深く観察すると、花壇の草花に埋もれるようにして黒い子猫がうずくまっていた。ここが裏庭だからか、あまり手入れがされていない所為で茂った雑草に隠れて気付けなかったのだ。
何の気無しに近寄ろうとすると、猫はゆっくりと身を起こして、大きな瞳でディーノを見据えてきた。その視線の強さは、ディーノがこれ以上近付くことを許してはおらず、所作は幼いながらに優美だった。
高慢ともとれるその仕種に、自分で呼び止めておきながらそれか、と思わず苦笑が零れる。
だが、嫌いではない。その在り方は、ディーノにただ一人を思い起こさせる。正に猫のような彼。この猫より少しは懐いてくれている、と考えるのは思い上がりだろうか。

しゃがみ込んで猫と視線を合わせたまま思考に沈んでいたディーノの意識を、靴底と小石が擦れ合う音が現実に引き戻す。
素早く身を翻して走り去る猫を見送ってから立ち上がると、少しふらついた。思っていたより長い時間座り込んでいたらしい。
そんなディーノに呆れたように溜息が一つ降る。

「不審者侵入の報告が来たのにいつまでも僕のところに来ないから、どうしたのかと思えば……本当に、あなたは何をしてるの」

言葉の割に、振り返って見たその表情は楽しそうで。結構思い上がりでもないのかもしれない、そう思ってディーノは小さく笑った。



(まさか、自分から寄ってくるなんて!)



+++++++

アミダお題、D18・猫が可愛い話。
いやうん雲雀猫を少し手なずけたデノ……? あれれ。
現在真冬真っ盛りなのに、話のイメージは秋です。あれれれ。
ハルカさんとの話し合いの結果、アミダお題の内1つはバックレ可となったので、一応これでコンプです。

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ボカロ ・ リンレン
2009.12.08Tuesday
・リンさんは末っ子おてんばさん
・レンさんは苦労が板についてきた突っ込み14歳
・ふたりはなかよし☆


そんなのリンじゃないやいレンじゃないやい、という方以外はどうぞ。
BASARA ・ 佐助+弁丸
2009.11.03Tuesday

先程までぎゅうとしがみついてきていた幼い手足は、意識が深い眠りに誘われるに従ってゆるやかに力が抜けていき。穏やかな寝息を立てている今では、もみじのような手の指先が佐助の衣服に僅かに引っ掛かっているだけになっていた。
外そうと思えば外せるそれをそのままに、佐助は苦笑とも呆れともとれる溜息を一つ零す。

佐助が自身の幼い主に呼び付けられたのは、ほんの数刻前。
ここ最近、部屋の明かりが消されてから佐助が弁丸に呼び付けられることは、ほとんどなくなっていた。眠れないから寝物語をしろだの、一緒に寝ようだのと駄々ばかりこねている弁丸だったが、幼いとはいえ彼も真田家の次男坊。そろそろ大人になってもらわねばと、我が儘の被害にあっていた佐助に、近頃旺盛になっていた自立心らしきものを利用されて「もう一人で寝る」との言質を取られていたからだ。意地比べと言わんばかりの不満そうな表情ながらも、一人で床についていた。
そんな弁丸の久しぶりの呼出しに嫌な予感を抱きつつも参じれば、出向かえたのは満面の笑顔。
曰く、「このように寒い夜は、体温の低い佐助には辛かろう。弁丸が温めてやる」と。

そのまましがみつかれ、なし崩しに共寝の体勢になり、――今に至る。

眠っていて揉めることはないのだ、さっさと抜け出してしまえばいい。そもそも一人で寝るよう仕向けたのは佐助自身だ。
そう思っているのに動けないのは、やはりこの温かさが離し難いからなのか。忍として訓練されている身体とはいえ、この寒さは身に染みるのは確かだ。
何はともあれ、今夜は急ぎの仕事はなかった筈だ。ならば。

もう一つ溜息をついて、佐助も眠りにつくべく目を閉じた。





+++++++

久しぶりなので文章リハビリ。
最近寒くて堪らないのです。

大河 ・ 殿 兼
2009.07.05Sunday

※注意事項※

・09 大 河です
・殿 × かねつぐというか幼少時な二人です
・微妙なジャンルなので無理な方は無理せずお引き取り下さい
・そしてここのことは忘れて下さい



……覚悟はOKですか?


しや ばけ ・ ↓の続き
2009.07.05Sunday

「……!!」


その姿に思わず色を変えて、若だんな、と叫びそうになって。
声を張り上げようとした瞬間、仁吉の人より優れた聴覚が微かな音を拾った。

それは、呼吸音。

そろりそろりと若だんなに近寄ると、確かに呼吸をしていることが分かる。
それは規則正しく穏やかで、ただ眠っているだけであると知れた。
その事実に安堵の溜め息を吐きつつ周囲を見渡せば、普段若だんなにひっついている妖達の姿が見えない。
眠っている若だんなを起こさぬよう気を使ったのだろうが、それならば布団くらい掛けろ、若だんなが風邪でもひいたらどうしてくれる、と今度は呆れと苛立ちの混じった溜め息を吐くことになった。

屏風のぞきあたりにどんな仕置をしてやろうかと考えるが、それは後回しだ。
何はともあれ、若だんなをこのままにしておくのは良くない。
風邪の心配もあるが、寝心地が良いとは言えない畳の上で寝て身体を痛める可能性だってある。
仁吉は若だんなの布団がしまってある押し入れを開き、静かに、だが素早く寝具を整えた。
若だんなを布団へ寝かせようと、起こさぬように細心の注意を払ってその身体を抱き上げる。
変わらず寝息は穏やかで、一太郎が起きる気配はない。
だが、抱き上げた身体のあまりの細さと軽さに仁吉は眉を顰めた。

一太郎はそんなに上背がある訳でも体躯が大きい訳でもない。
だが、もう成人と言っても良い年頃なのだ。本来ならばもっと重みを感じる筈なのだ。


なのに、こんなにも、軽い。


この軽さが一太郎の病弱さを、ひいてはその命の危うさを示しているようで。
不安が影のように迫って来るのを感じて、仁吉は嫌な想像を振り払うように頭を振った。

今若だんなは眠っているだけだ。
"それ"を考えるのは、今ではない。


そっと抱き上げていた身体を布団の上に横たえ、上掛けをかける。
やはり目を覚ます気配はない。

「…若だんな」

寝返りを打った際にほつれたのか、顔にかかっていた髪を横に流してやりながら、微かな声で呼び掛ける。
当然、返事はない。





+++++++

暇なので携帯内の書きかけ整理その2。
書きかけなんで中途半端なまま終了。

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